九州の旅(12)黒之瀬戸

 令和元年11月25日、鹿児島県長島町にある道の駅「黒之瀬戸だんだん市場」と「長島」を訪問。

 

 道の駅「黒之瀬戸だんだん市場」

 鹿児島県阿久根から黒之瀬戸大橋を渡った長島側にある道の駅。

 駅内に大きな生けすがあり、活魚が購入できます。また、そのほか海産物や新鮮な農産物も販売していました。

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 道の駅の写真を撮るため、ウロウロしていると、いつの間にか いざなわれるように道の駅の裏にある高台に。

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 素晴らしい景色が目に入ってきました。事前の調べもなかったので、不思議な感覚。何か未知の力が働いたのか。

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 黒之瀬戸大橋   

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 黒之瀬戸海峡   日本三大潮流

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 東シナ海方面  ところどころに「うずしお」らしきものが見えます。

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  八代海方面

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 古代より、有名な景勝地のようで、四つの歌碑が公園に建てられています。

 

 大伴旅人(おおとものたびと)の歌碑

「隼人(はやひと)の 瀬戸の 巖(いわ)ほも 鮎走る 吉野の瀧に なほしかずけり」 

 薩摩の瀬戸の大岩も、鮎が走るように泳ぐ吉野の急流には及ばない。

 隼人の乱の征隼人大将軍に任命され、当地を訪れた時に、望郷の思いを歌にしたと言われています。

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 「初春の令月(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風和ぎ」

 初春の令(よ)い月であり、空気は美しく、風は和やか。  

 「令和」の典拠である万葉集の巻五、梅花の歌三十二首の序文。この梅花の歌三十二首は、旅人が大宰府の長官のとき、梅の宴を催したときのもの。

 旅人は飛鳥時代から奈良時代にかけての公卿、歌人。大伴家持の父。文武両道で酒をこよなく愛する魅力的な人のようです。すこぶる興味をそそります。くわしく調べてみたい。

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  長田王(おさだのおおきみ)の歌碑

 「隼人(はやひと)の 薩摩の瀬戸(せと)を 雲居(くもゐ)なす遠くも 吾(われ)は今日みつるかも」

 隼人が住む薩摩の瀬戸を、雲のように遠い遥かに私は今日みたことだ。

 これも万葉集に載っている歌で、長田王が筑紫(九州)に派遣された時に歌ったとされている。瀬戸の風景の感動が歌っているとのこと。

 長田王は奈良時代の官吏。

 実のところ、小生、この歌は理解できなくて、勝手な解釈として、「遠くまで知れ渡った歌枕の瀬戸であったが、とうとう来てしまった。思えば遠くに来たもんだなあ。」となってしまいます。

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  源公朝(みなもとのこうちょう)の歌碑

 「薩摩潟 瀬戸のはやみの ただ漕ぎすぎよ 碇(いかり)下(おろ)さで」

 鎌倉時代に成立した「夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)」に詠われている。

 源公朝は権僧上公朝(ごんそうじょうこうちょう)で、鎌倉時代後期に活躍した関東の代表的な歌人。  

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 甲斐守保孝(かいのかみやすたか)の歌碑

 「音立てて はや吹きにけり 隼人(はやひと)の 薩摩の迫門(せと)の 秋の初風」

 この歌は、江戸時代に作成された薩摩の名勝を記した麑藩名勝考(げいはんめいしょうこう)に記載。

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 道の駅「黒之瀬戸だんだん市場」から東シナ海を左に見ながら車を走らせる。 

 長島の風景  東シナ海

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  車を走らせていると、ところどころに個性的な作品が。

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  小生、有名な作家の芸術作品よりこちらの方が好きなのです。

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 道の駅「長島」   食堂にはいろいろな種類の海鮮丼や定食があり、いずれもリーズナブル。タイ漬け丼600円を注文、美味。満足。

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  ここにも、芸術作品!

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 作品名「鯱(しゃち)」

 鯱がサメを咥えて現れた! 製作人員14人、2時間✕60日。潟自治公民館製作。

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 以上、九州の旅(12)黒之瀬戸。