九州の旅(34)滝④沈堕の滝

 沈堕の滝(ちんだのたき)     令和元年12月2日

 沈堕の滝は、大分県豊後大野市大野町矢田にあり、大野川本流にある雄滝(おだき)と、大野川支流の平井川が大野川に合流するところにある雌滝(めだき)とかなる。雄滝は幅約100m、高さ約20mで、雌滝は幅4m、高さ約20m。国の登録記念物として登録されている。

 九州の旅(33)に記載の「原尻の滝」と同様に、約9万年前の阿蘇山の火砕流が冷え固まり、縦にひび割れ、柱状になり(柱状節理という。)、滝が形付けられたものです。

 原尻の滝は、「東洋のナイアガラ」と呼ばれるのに対して、「豊後のナイアガラ」、「大野のナイアガラ」と呼ばれている。

 

 雄滝     県道26号線横のポケットパークから撮影。

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 写真右下が雌滝
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 古くからの名瀑であり、室町時代に活躍した水墨画家の雪舟(せっしゅう)が訪れ、「鎮田瀑図」を描いたことで有名です。写真は模倣図。

 雄滝と雌滝とが近くに描かれているのは、雄滝が今よりも下流側にあったと言われている。柱状節理の岩はもろく、ドミノ倒しのように壊れるようです。

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 「ちんだの滝ふれあい公園」にある案内板

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 展望台からの写真    左下のコンクリート構造物は、沈堕発電所の跡。

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 遊歩道を歩き滝見台へ。そこからの写真。

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 江戸時代にこの地を治めていた岡藩の「滝落としの刑場跡」が雌滝の近くにあります。岡藩では、刑罰を科すべきかどうか判断できない場合、ここから滝壺へ突き落として、死んでいれば有罪、生きていれば無罪放免にする裁きをしたそうです。

 このことから、滝の名称が「鎮田」から「沈堕」になったそうです。

 霊魂を供養するためなのか、公園の隅に地蔵様二体がひっそりと鎮座している。

 

 

 

 以上、九州の旅(34)滝④沈堕の滝。