九州の旅(19)神話⑤海幸山幸

 神話 海幸彦山幸彦ゆかりの地

 海幸彦、山幸彦の神話はよく知られています。浦島太郎の話の元とも考えられています。

  神々の系図    朱書きの神は今回の記事に関わる神々です。

f:id:hakusaniiyo:20200429112302j:plain

  神々の表記は、古事記の記載による。(例えば、「ににぎのみこと」は、古事記では「邇邇芸命」で日本書紀では「瓊瓊杵尊」というふうに違いがあります。)

 

 神話 海幸彦、山幸彦のあらすじ  

 火遠理命(ほおりのみこと、山佐知毘古、山幸彦)は、兄の日照命(ほでりのみこと、海佐知毘古、海幸彦)の大切な釣針をなくした。兄に、強く責め立てられた火遠理命(山佐知毘古)は、兄の釣針を探しに塩椎神(しほつちのかみ)の導きで海の神である大綿津見神(おおわたつみのかみ)の海神(わたつみ)の国に行く。そこで、大綿津見神の姫の豊玉毘売(とよたまびめ)と契を結び、海神の国で3年間過ごしたのち、兄の釣針と塩盈玉(しほみつたま)、塩乾玉(しほふるたま)を持って地上に帰る。

 塩盈珠を用いれば潮が満ち、兄を溺れさせることができ、塩乾珠を用いれば潮が干し助けることができる。兄からまた責め立てられることがあれば、これらの珠を用い、兄を懲らしめることができる。

 その後、豊玉毘眼売は懐妊し、産屋で火遠理命が見たのは巨大なサメが赤子を産む姿であった。豊玉毘売は正体を見られたため、赤子を置いて海神の国に帰る。この赤子が鵜葺草葺不合命(うかやふきあえずのみこと)である。

 豊玉毘売は、火遠理命(山佐知毘古)が恋しくて、自分が生んだ鵜葺草葺不合命を養育するという理由で妹の玉依毘売(たまよりびめ)を,歌を託して地上に遣わした。

 鵜萱草葺不合命は叔母の玉依毘売を妻として、五瀬命(いつせのみこと)、稲氷命(いなひのみこと)、御毛沼命(みけぬのみこと)、神倭伊波礼毘古命(かむやまといはれびこのみこと)の四御子を生んだ。神倭伊波礼毘古命は日本初代の天皇である神武天皇(じんむてんのう)である。

 

(注)内容については、勉強不足もあり、過不足や誤解釈があるかもしれない。ご容赦ください。


1 鵜戸神宮(うどじんぐう)   令和元年11月19日、27日

 御祭神は鵜葺草葺不合命(うかやふきあえずのみこと)。

 鵜戸神宮の縁起

 火遠理命(ほおりのみこと、山佐知毘古)が海神の国から帰られた後、身重になられていた豊玉毘売(とよたまびめ)は「天孫の御子を海原で生むことは出来ない」とこの鵜戸の地に来た。霊窟に急いで産殿を造られていたが、鵜の羽で屋根を葺終わらないうちに御子が生まれた。故に、御名を鵜葺草葺不合命(うかやふきあえずのみこと)いう。

 なお、所在地は、宮崎県日南市大字宮浦。

 鳥居

f:id:hakusaniiyo:20200428203121j:plain

 神犬石(いぬいし)

f:id:hakusaniiyo:20200428203217j:plain

 神門

f:id:hakusaniiyo:20200428203605j:plain

 国指定名勝 鵜戸

 平成29年10月、鵜戸神宮一帯が国の名勝「鵜戸」に指定された。

f:id:hakusaniiyo:20200428203259j:plain

  楼門

f:id:hakusaniiyo:20200428213256j:plain

 楼門の扉には菊の御紋が。

f:id:hakusaniiyo:20200428213800j:plain

 国指定名勝の海岸

f:id:hakusaniiyo:20200428213353j:plain

 江戸時代の1641年に飫肥(おび)藩主・伊東祐久が奉納した石塔。

f:id:hakusaniiyo:20200428213703j:plain

 かなり急な階段

f:id:hakusaniiyo:20200428213941j:plain

f:id:hakusaniiyo:20200428214019j:plain

 波が岩の間を波しぶきを上げて打ち寄せる。なかなかの迫力。

f:id:hakusaniiyo:20200428214206j:plain

f:id:hakusaniiyo:20200428215120j:plain

 亀石

 豊玉毘売(とよたまびめ)が乗ってきたという。亀石にあいている穴に、運玉を投げ入れて、見事入ると願いが叶うと言われている。

f:id:hakusaniiyo:20200428215216j:plain

 本殿入口  洞窟は、主祭神の産殿の址と伝えられる霊地で、約三百坪の大きさ。

f:id:hakusaniiyo:20200428215320j:plain

 本殿

 江戸時代、飫肥(おび)藩の庇護を受け、建造・建替えが行われた。

 御神徳は、縁結び、安産、育児、海上安全。

f:id:hakusaniiyo:20200428215353j:plain

f:id:hakusaniiyo:20200428215439j:plain

f:id:hakusaniiyo:20200428215511j:plain

 御朱印

f:id:hakusaniiyo:20200428220235j:plain

  お乳岩

 本殿裏にあり、豊玉毘売が御子の育児のため、乳房をこの岩にくっつけて海神の国に帰ったと伝える「おちちいわ」。いまもなお絶え間なく玉のような岩しみずを滴らし、安産・育児を願う人々の信仰の拠り所となっている。

f:id:hakusaniiyo:20200428215729j:plain

 撫でうさぎ   うさぎは神の使いとされている。

f:id:hakusaniiyo:20200428215757j:plain

  お乳水   お乳岩から出る水をもって飴を造り、御子を育てたという。

f:id:hakusaniiyo:20200428215929j:plain

 

 

2 潮嶽神社(しおだけじんじゃ)   令和元年11月26日

 主祭神は、日照命(ほでりのみこと、海佐知毘古)。日照命は、海幸・山幸の争の時、磐船で満潮に乗り潮嶽の里に着き、ここに居を定められたと伝えられている。
 神社からは、塩盈玉(しほみつたま)や塩乾玉(しほふるたま)に由来する越潮山、潮越山が望まれる。

 御神徳は、心願成就、家内安全、海幸安全、五穀豊穣。

 なお、所在地は宮崎県南那珂郡北郷町大字北河内。
   

  鳥居

f:id:hakusaniiyo:20200428220712j:plain

  参道

f:id:hakusaniiyo:20200428220737j:plain

  狛犬f:id:hakusaniiyo:20200428220804j:plain

f:id:hakusaniiyo:20200428220828j:plain

  拝殿

f:id:hakusaniiyo:20200428220851j:plain

  拝殿、本殿

f:id:hakusaniiyo:20200428220914j:plain

 

 

3 鹿児島神宮(かごしまじんぐう)   令和元年11月21日

 御祭神は、火遠理命(ほおりのみこと、山佐知毘古)と豊玉毘売(とよたまびめ)。火遠理命は、筑紫の国開拓の祖神として祀られている。また、この地に高千穂宮(皇居)を営み給い、580歳の長寿に亘り農耕畜産漁猟の道を指導し民政安定の基礎を造った。

 当神宮は大隅国(おおすみのくに)の一の宮として、古来より崇敬を集めている。
 なお、所在地は、鹿児島県霧島市隼人町字内。

  拝殿

f:id:hakusaniiyo:20200429154912j:plain

 御朱印

f:id:hakusaniiyo:20200429155002j:plain

 なお、鹿児島神宮の記事は、「九州の旅(2) 一の宮①」に記載しております。

 


 以上、九州の旅(19)神話⑤海彦山彦。