九州の旅(37)磨崖仏②臼杵磨崖仏

 臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)    令和元年12月3日

 臼杵磨崖仏は、大分県臼杵市深田にある磨崖仏で、一般には「臼杵石仏」の名で知られている。昭和初期の磨崖仏の状態は、林の中に荒れ果て、仏頭などは転がっていた。昭和27年に国の特別史跡に指定された。その後、保存復元工事が順次行われ、平成7年に磨崖仏として日本初、彫刻としては九州初の国宝に指定された。現在、国宝の数は61体にも及んでいる。

 臼杵磨崖仏(石仏)は、豊後地方に集中して存在する平安時代の磨崖仏のなかで最大の規模を誇り、かつ出来ばえが最も優れた石仏群として広く知られている。製作時期は、平安時代後期から鎌倉時代と推定されている。

 また、この磨崖仏は今から約9万年前、阿蘇山が噴火した際に、流れてきた火砕流が冷えてできた「阿蘇溶結凝灰岩」という地層に彫られている。

 

 臼杵石仏見どころマップ    (臼杵市おもてなし観光課)

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 ①ホキ石仏第二群第一龕

 ホキとは「がけ」という意味の地名で、龕(がん)は仏像を安置するため、岩壁を掘りくぼめた場所や逗子(ずし)をいう。

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 左から勢至菩薩立像(せいしぼさつりつぞう)、阿弥陀菩薩坐像(あみだぼさつざぞう)、観音菩薩立像(かんのんぼさつりつぞう)。

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 ホキ石仏第二群第二龕

 九品の弥陀(くぼんのみだ)

 人は仏の教えを理解する度量・器の高低、信仰の深浅によって、九つに分けられ、お迎えに来る阿弥陀も九つの阿弥陀が存在するという。

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 ②ホキ石仏第一群第一龕 

 左から薬師如来(やくしにょらい)坐像、釈迦如来(しゃかにょらい)坐像、阿弥陀如来坐像。

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 ホキ石仏第一群第二龕

 左から、愛染明王(あいぜんみょうおう)坐像、薬師如来坐像、阿弥陀如来坐像、釈迦如来坐像。

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 ホキ石仏第一群第三龕

  左から、勢至菩薩立像、阿弥陀如来坐像、大日(だいにち)如来坐像、釈迦如来坐像、観音菩薩立像。

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 ホキ石仏第一群第四龕

 地蔵菩薩及び十王像

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 地蔵菩薩坐像(じぞうぼさつざぞう)

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③山王山石仏(さんのうざんせきぶつ)

 左から、阿弥陀仏如来坐像、釈迦如来坐像、薬師如来坐像。

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 邪気のない純真無垢な赤子そのものです。通称「隠れ地蔵」と言われているそうです。

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 ④古園石仏(ふるぞのせきぶつ)

 臼杵石仏の中心的存在。通称「古園十三仏」とも言われている。

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 大日如来坐像   日本の石仏の中でも最高傑作の一つと言われている。

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  なんと慈愛に満ちたお顔でしょうか。仏師の心が伝わってくるような気がします。

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 石造五輪塔(せきぞうごりんとう)

 大きい方は嘉応2年(1170年)、小さい方は承安2年(1172年)の銘があり、日本で最も古い五輪塔の1つと言われており、共に国の重要文化財である。

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 満月寺(まんがつじ)

 満月寺は永禄5年、キリシタン大名である大友宗麟に焼かれ、昭和になってやっと復興された寺だそうです。

 仁王像

 膝下が地面に埋没しており、鼻、胸など病気治癒祈願のため削られている。

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 満月寺 宝篋印塔(ほうきょういんとう)  国の重要文化財

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 たくさんの国宝、国の重要文化財を見ることが出来ました。合掌。

 

 

 以上、九州の旅(37)磨崖仏②臼杵磨崖仏。